黒沢ダイスケ|Daisuke Kurosawa Official Site

From the Blog

Fractal Audio Axe-FX II or AX8でのMESA/Boogie Mark IIC+のギター音作り

初心者向けの一般論を書いた方が、記事として圧倒的に需要があるのは知りつつも、この場では、あえてクソマニアックな事を書いて行こうと思ってます。自分のアルバムや作品制作の過程で得た情報などをここに書いておこうかと思います。

情報の質も量も国外の方が圧倒的に高い

僕はギターのサウンドやミックスなど音作り系全般は、人から情報を聞き出す場合もありますが、普通にググって調べることも多いです。なので、条件はみんな同じです。あとは自分に合った情報に出会えるかどうかか重要で、そのヒントは国内より海外の文献から得られる事も多いです。単純に母数が多いというのもありますが、日本人はノウハウを共有したがらない、ってのもあるのかもしれません。英語が得意でない方もいらっしゃると思うので、ここで海外から仕入れた情報を共有させていただければと思います。

取扱説明書で解説されてないパラメーターがたくさんある。

Axe-FX II(あるいはAX8等)って自由度が高いのは良いですが、謎のパラメーターもたくさんありますよね。で、それがなんなのか、マニュアルに書いてなかったりします。Fractal Audio社の製品はファームウェアのアップデート頻度も高く、メジャーアップデートではパラメーターの位置や名称が変わったり、新しいパラメーターが増えたりもしばしばなので、古い紙のマニュアルと最新版の内容が食い違ってる事も多いです。

当然日本語の取扱説明書にも書いてない

本家の紙のマニュアルにも書いてない事は、日本語のマニュアルにも書いてません。書いてあっても直訳なので、具体的にそのパラメーターがギターの音にどう作用するのかが書いてないことも多いです。国内の輸入代理店を通して買うと割高なので、そのあたりが日本語の資料があったら嬉しいな、とも思うのですが、まーなかなか難しいですよね。(ですよね?)

Mark IIC+の音作りは難しい

実機はビンテージなので、自分も触れたことはないのですが、Fractal Audio製品に入ってるMESA/Boogie系の扱いが難しい、という意見はよく聞きます。確かにIIC+系はなんかブーミーになってしまうことが多いです。Mark Vの25Wの本物は持っていて、それは音作り全く難しく無いのですが、、、。

Fractal AudioのAxe Wikiに色々書いてあった

本国の公式にはPDFのマニュアルもありますが、Wikiがありまして、これが意外と情報量が多くて、なおかつ開発者の意見なんかも添えられてたりします。IIC+も探したら色々出てきました。

https://wiki.fractalaudio.com/axefx2/index.php?title=Amplifier_models_list#USA_IIC.2B_.28based_on_MESA.2FBoogie_Mark_IIC.2B.29

Cliff’s comments:ってのがそれです。開発スタッフの方が公式のフォーラム(掲示板)に降臨して書き込みした意見がここにまとめられてます。結構な文字数がありますね。根気があったら読んでみてください。で、一番わかりやすくて、有益!と思ったのが、一番下。

“These were my settings for a killer high-gain tone: Model: USA IIC+ /
Input Drive: 8.1 / Overdrive: 9-10 /

Bass: 1.0 / Midrange: 1.8 / Treble: 8.9 / Presence: 4.5 /
MV: 4.0 / Level: -20 dB / Bright Switch ON /
80 Hz: 4.8 / 240 Hz: 2.6 / 750 Hz: -4.5 / 2200: -0.2 / 6600: 0.”

これがオイラのキラーハイゲインサウンドだぜ、というコメントの後に、なんと具体的にパラメーターの数値が書いてあるじゃあーりませんか。神かな?

エディター画面と録り音紹介

大体のパラメーターは見たまんまですが補足すると、MVはマスターボリューム、最後のEQはアンプブロック内の5バンドEQ(Mark)を使います。エディターの画面の画像はこんな感じ。

動画を撮ろうと思いましたが、編集が手間だったので、YouTubeの生配信にしちゃいました。アーカイブで音は聴けます。キャビはいくつか変えたりもしてます。(18:04 あたりから音出ししてます)

ベース1、ミドル約2、トレブル約9、っていうのが、一見エクストリームなセッティングですが、なるほどブーミーになりがちだった理由はベースの値にあったのかもしれませんね。ここで足りてない低音域は後段のEQで稼ぐ感じですかね。

という感じです。自分の作品ではほとんどMESA/Boogie系しか使わないので、このセッティングを基軸としたサウンドがアルバムで聴くことが出来ます。よかったら聴いてみてくださいね。それではまたいつか。